さび止め劣化で部品破断か 佐賀ヘリ墜落、防衛省調査
佐賀県神埼市で昨年2月、陸上自衛隊AH64D戦闘ヘリコプターの主回転翼を固定する金属製ボルトが破断し、機体が住宅に墜落した事故で、防衛省は27日、調査結果を同県に伝えた。さび止め剤の劣化が破断につながったとする見方とともに、ヘリに搭載する前からボルトに亀裂が入っていた可能性があるとの内容を併記した。
山本朋広防衛副大臣は27日、県庁を訪れ、山口祥義知事に謝罪した。
陸自は昨年5月、エンジン出力を主回転翼に伝える部品「メインローターヘッド」のボルトが破断し、羽根が外れて墜落したとする中間報告を公表していた。ボルトの穴にはピンが差し込まれ、通常はボルトとピンが一体となって回転する仕組みだった。
調査結果によると、事故機は保管中にさび止め剤が劣化し、ピンが他の部品と固着して回らなくなった。ボルトは回転するため摩擦が生じ、破断した可能性がある。
一方で、ヘリに取り付ける前に、何らかの要因でボルトに亀裂が入っていたとの見方も排除できなかった。当時は定められた点検をしており、整備や操縦のミスが事故原因ではないと判断。再発防止に向け、点検や保管方法の見直しを挙げた。
ヘリは昨年2月5日、定期整備後の試験飛行中に墜落。住宅にいた女児がけがを負い、隊員2人が死亡した。〔共同〕