リーチ主将の兄貴分、合宿の聖地に遺す財産
ラグビーW杯協奏曲(4)
2016年11月。ラグビーワールドカップ(W杯)日本代表の主将、リーチ・マイケル(30)は母親と子供を連れてラグビー合宿の聖地、長野県の菅平高原をふらりと訪れた。疲労とモチベーションの低下を理由に、日本代表を外れ、来日して最大ともいえる挫折感を味わっていた時のことだ。
リーチ・マイケルの故郷
リーチの母校、東海大学ラグビー部は2001年から、菅平で約2週間の夏合宿を張ってきた。菅平はリーチのラグビー人生の故郷(ふるさと)の一つといえる。
この時、懐かしい「兄貴分」に顔を見せている。東海大の夏合宿の定宿、菅平高原温泉ホテル社長の桑田雅之(47)だ。
桑田は10代の頃からリーチを見守ってきた。「筋骨隆々の留学生のイメージと大違い。きゃしゃな体で
ラグビーW杯日本大会が開幕した。スパルタ教育で規律を身につけ、強豪・南アを倒した前大会から4年、自主性を重んじるジョセフHCの下、海外出身者が5割を占めるサムライたちは多様性も力にかえ、自律したチーム・ジャパンを作り上げている。サッカーW杯、五輪に次ぐ「世界3番目のスポーツイベント」をてこに、かつての人気を取り戻そうと草の根的な動きも活発化。清宮克幸はプロリーグ構想を掲げる。それぞれの思いをむねに、ラガーマンたちが走り始めた。