鹿児島山中の遺体は当時17歳の不明女性
鹿児島市吉野町の山中で8月、一部が白骨化した女性の遺体が見つかった事件で、鹿児島中央署は25日、身元が2006年4月から行方が分からなくなっていた野添希望さん(不明当時17、鹿児島県志布志市在住)と判明したと発表した。
県警によると、不明当時、県内の高校に通う3年生だった。司法解剖の結果、発見時点で死後1年は経過していないとみられ、死体遺棄事件として捜査している。
野添さんは06年4月6日、同居の家族から家出人捜索願が志布志署に出され、その後、家族には「元気でいる」という趣旨のメールが複数回、届いていたという。
遺族の代理人弁護士によると、野添さんは4人きょうだいで、不明になる前は、父親らと家族4人で暮らしていた。通っていた高校から父親に「始業式に出席しなかった」との連絡があり、県警に届けたという。
遺族は代理人弁護士を通じ「事件のことを知り、驚きと深い悲しみに包まれています。捜査を見守っていきたい」とのコメントを出した。
県警はDNA型鑑定や、歯の治療痕などから身元を特定。不明になってから死亡までの経緯を捜査するとともに、発見現場周辺での聞き込みや、防犯カメラ映像の解析などを進めている。
遺体発見現場はJR鹿児島中央駅から北東約5キロの山中で、近くに国の名勝「仙巌園」がある。8月13日午後、男性作業員が人骨の一部とみられるものを見つけ、県警が周囲を捜索。19日午後、大半が地中に埋まり、一部が白骨化した遺体を発見した。〔共同〕