「市場規模、5年で3.7倍に」チャットワークの山本社長
企業の部署内などで情報をやり取りするビジネスチャットツールを手がけるチャットワークが24日、マザーズ市場に上場した。初値は公募・売り出し価格(公開価格、1600円)を7.5%下回る1480円で、終値は1400円だった。同日に記者会見した山本正喜社長は「ビジネスチャットの市場規模は5年間で3.7倍になる」と述べた。主なやりとりは以下の通り。
――初値が公開価格を下回りました。
「現時点での市場の評価として受け止めている。しかし、我々のサービスは解約率が低く追加の設備投資があまり必要でないため、中長期で利益成長できると信じている」
――製品の強みを教えてください。
「チャットワークの強みはITリテラシーの高さに関係なく、全ビジネスパーソンにとって使いやすいところだ。ビジネスチャットは国内普及率が3割未満とまだまだ成長余地がある。市場規模は2017年度から22年度にかけての5年間で約3.7倍の230億円程度に膨れあがるとの試算もある」
――上場の目的を教えてください。
「創業当初は上場を考えていなかったが、システム障害が発生した14年にチャットツールは企業間のインフラであると認識した。以来、顧客に安心・信頼して使ってもらえるようにと上場を目指すようになった。調達資金は営業の人員増などに充てたい」
――今後の成長戦略は。
「時間と場所を問わずに連絡ができるチャットツールを柔軟に仕事に取り入れることで生産性は向上する。働き方改革の観点から企業などに活用方法を提案していくことで顧客数を積み上げていきたい。チャット履歴から社員のコンディションの良しあしを把握できるサービスの開発も進めている」
――株主還元の方針を教えてください。
「優先して成長を続けるために、今後一定期間は無配を続けていくが、IR活動を通じて投資家への説明は続けていきたい」
(松木 耕)