「全人民は団結せよ」 中国70年、習近平氏の危機感
中国70年目の試練(1)
北京市内の国有企業に勤める劉さんの執務室は環状3号線沿いのビルの17階にある。8月、絶景を望める南向きの窓が曇りガラスにかわった。10月1日の閲兵式の妨害行為を防ぐためというが、兵士らの行進場所までは7キロもある。いぶかる劉さんに警察は伝えた。「万万が一のためです」
建国70周年の記念行事を控える北京には緊張感が漂ってきた。「念には念を入れろ」。市トップの蔡奇(63)は職員らにげきを飛ばし続ける。
紅葉の名所、北京市西部の香山。9月12日、共産党総書記(国家主席)、習近平(シー・ジンピン)(66)の姿があった。完成したての革命記念館で食い入るように見ていたのは、人民解放軍が1949年3月に北京で開いた閲兵の映像だ。
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3期目となる新たな習近平(シー・ジンピン)指導部が発足しました。習政権では習氏に近いとされる「習派」は最高指導部を指す政治局常務委員で7人中6人を占め、序列24位以内の政治局員でも約7割が該当するとみられます。権力の一極集中を進める習政権の最新ニュースや解説をまとめました。
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