転覆原因、究明困難も サンマ漁船事故から1週間
北海道根室市の納沙布岬沖のサンマ棒受け網漁船転覆事故から24日で1週間。敬礼寿広船長(52)=根室市=が死亡し、他の乗組員7人は行方不明のまま21日に捜索は打ち切りになった。第1管区海上保安本部(小樽)や運輸安全委員会は今後港にえい航される船体を調べるが、目撃者もなく原因究明は困難が予想される。
1管によると、大樹漁協(大樹町)所属の「第65慶栄丸」(29トン)は17日午後2時40分ごろ、納沙布岬東方約610キロの洋上で転覆しているのが見つかり、船内から敬礼さんだけが見つかった。
今年のサンマ漁は記録的不振で、慶栄丸は魚影を求めて遠い漁場に出ていた。
慶栄丸は民間のサルベージ船がえい航し、花咲港に戻る予定。その後、1管と安全委が船体を調べる方針だが、乗組員全員が死亡・行方不明のことから、当時の気象や同じ海域にいた僚船の乗組員など関係者の証言を分析し調査を進める。
船には敬礼さんのほか、道内の43~74歳の男性7人が乗船。12日に根室市の花咲港を出港し、17日午前7時すぎ、仲間の船の乗組員が衛星電話で会話したのが最後の連絡だった。関係者によると、その際に海水を船から出すよう指示する声も聞こえたという。〔共同〕