ドコモ、5G活用で関西企業と連携 南海は遠隔点検に
NTTドコモは20日、同日に先行サービスを始めた次世代通信規格「5G」の企業向け活用で関西企業と協業すると発表した。南海電気鉄道とは鉄道設備点検での遠隔指示に役立てる。高速通信でデータ送信の遅延が少ない特長を生かす。人口減少社会で技能労働者不足が色濃くなるなかで、5Gを使った企業の課題解決を事業として拡大していきたい考えだ。
南海電鉄は鉄道の変電設備などの点検に活用する計画。現場の作業員が眼鏡の内部に映像を映し出せるAR(拡張現実)スマートグラスを装着し、映像を5G経由でリアルタイムで送る。離れた場所で映像を見た熟練技術者がスマートグラス内に円を描くなどして点検が必要な場所の指示を出す。経験が浅い作業員にも熟練者の援助で作業の質維持や技術向上が期待できる。
竹中工務店とはタワークレーンの遠隔作業などに5Gを使う。1日中操縦室の中で作業するクレーン操縦士の作業負担を減らす狙いがある。5Gで音声や映像のほか、操縦判断に重要なクレーンの揺れのデータも送り、実際に近い感覚で遠隔操作ができる。オムロンとノキアとは生産設備を無線ネットワークで結ぶのに5Gを活用。オムロンの自立搬送ロボットを組み合わせることで、生産ラインの組み替えの自由度を高め多品種少量生産への対応力を高める。