米・サウジ「イランに責任とらせる」 石油施設攻撃
【ワシントン=中村亮】ポンペオ米国務長官は18日、サウジアラビア西部のジッダで、同国で実権を握るムハンマド皇太子と会談した。米国務省によると、両氏はサウジの石油施設攻撃にイランが関与したと主張したうえで「攻撃的で無謀かつ脅迫的な行動を続けるイランに責任をとらせる」ことで一致した。
ポンペオ氏とムハンマド氏は施設への攻撃について「サウジの安全保障だけでなく世界のエネルギー供給や米国人の命を危険にさらす受け入れがたく前例のないものだ」と非難した。国際社会に対して、イランの挑発的な行動を非難するよう働きかけていく考えを示した。
ポンペオ氏はサウジに向かう機内では記者団に対し「今回のような戦争行為がいつでも起こりうる」と強調し、さらなる攻撃に警戒を示した。
トランプ米大統領は18日、訪問先のカリフォルニア州で記者団に対し、サウジへの攻撃を巡り「必要な措置があればためらうことなく実行する」と強調した。イランに対する報復措置を講じる考えを示唆した発言だ。サウジ攻撃をめぐる対応策などを近く発表すると説明したうえで「強力な経済制裁」については48時間以内に具体的な内容を発表するとした。
一方で「イラク戦争はうまくいっただろうか」と過去の米国の軍事介入の成果に疑問を示し、イランに対する軍事行動を避けたい意向をにじませた。サウジへの攻撃については「何が起きたのか大いに分かってきた」と指摘したが、イランの関与は断定しなかった。サウジ当局も攻撃はイランの支援があったと結論づけたものの、攻撃に使われたとするミサイルや無人機の起点は特定を避けている。