会社員の負担増を提案 医療制度改革で日本医師会
日本医師会(日医)は18日、政府が社会保障改革の議論に入るのを前に、医療制度改革に向けた提言を発表した。大企業の会社員が入る健康保険組合の保険料率引き上げや、消費税以外に新たな税財源を活用することなどを盛り込む一方、患者の負担は増やさないように求めた。
横倉義武会長が同日の定例会見で発表した。日医は政府が近く初会合を開く「全世代型社会保障検討会議」のメンバーに入っていないが、患者負担を増やす議論をけん制した形だ。
日医は健保組合の保険料率を2019年度の平均9.22%から10%に引き上げれば、保険料収入は約1兆円増えると試算した。また病気やケガで働けないときに健康保険から支給される「傷病手当金」を雇用保険で賄うことも提案した。
新たな税財源について横倉会長は「賃上げや設備投資がない企業の内部留保への課税」を挙げ、政府の検討会でも議論するよう求めた。
保険料の増収と新たな税財源の投入で患者の自己負担の引き上げは避けられるとの考え方だ。政府の検討会に日医が入っていないことについて横倉会長は「外で議論できる場をつくっていく」として日医の主張を発信していく考えを示した。