「台湾のトランプ」になれず 郭台銘氏の唐突な決断の裏
編集委員 中沢克二
深夜の唐突な幕切れだった。シャープを買収した鴻海(ホンハイ)精密工業の前董事長、郭台銘(テリー・ゴウ)だったが、「台湾のトランプ」にはなれないことがはっきりした。米大統領、トランプのように経済界からすべてをなげうって選挙に挑むことはなかった。
「本当にすみません。あなた方を失望させてしまって……」。よわい68歳の郭台銘は16日夜遅く、台湾総統選への無所属での出馬を断念する声明を発表した。
その4...
経済や安全保障面で米国の一極支配を打破しようとする中国の習近平政権の中枢で何が起きているのか。習国家主席による腐敗撲滅政策の狙いなどを的確に報じ、「ボーン・上田記念国際記者賞」を受賞した中沢克二・日本経済新聞編集委員(元中国総局長)が深掘りする。