ライブ・エンタメ市場、興行大型化で13.8%増
音楽ライブやミュージカルなどライブ・エンターテインメントの市場規模が2018年に前年比13.8%増の5862億円になったことが、ぴあ総研の調査でわかった。音楽ライブ、ステージショーの両方が前年のチケット売り上げを上回り、過去最高を更新した。複数のアーティストによる大規模ツアーなど、興行の大型化が市場をけん引している。
18年に国内で開催情報の告知があり、チケットの一般販売があったライブイベントやステージを対象に調査した。市場規模はチケット販売数と単価から推計した。
音楽ライブなどの市場(音楽市場)の規模は11.8%増の3875億円だった。公演数は前年比1.6%減となったが、動員数が9.1%増と伸びカバーした。音楽市場の8割を占めるポップス分野でスタジアムやアリーナツアーなど大規模な興行が盛況だった。
特に、18年9月に引退した安室奈美恵さんのライブツアーが好調だった。18年後半からデビュー20周年ツアーが始まった「嵐」、デビュー30周年ツアーがあった「〓z」が開催したスタジアム・アリーナでの公演もけん引した。
ステージ分野の市場(ステージ市場)の規模は1987億円と前年比17.9%増だった。公演数は0.4%増とほぼ前年並みだった。会場不足のため、公演回数は頭打ちの状況が続いている。一方で、ロングラン公演などが増え、1公演当たりの動員数や1人当たりの単価が上昇した。
例えば18年8月にオープンした劇団四季の専用劇場「キャッツ・シアター」で上演が続く「キャッツ」や、17年3月にオープンした「IHIステージアラウンド東京」での劇団☆新感線の公演などが好調だった。
また、新形態のイベントの貢献も大きかった。体験型恐竜ライブショーの「恐竜どうぶつ園」やテレビ番組「世界一受けたい授業」のライブイベントなど、大型のイベントが集客増を支えた。