再改造内閣が始動 小泉氏、福島再訪問の意向
第4次安倍再改造内閣が12日始動した。安倍晋三首相が起用した「ポスト安倍」候補もそれぞれの仕事をこなした。
原子力防災相を兼ねる小泉進次郎環境相は福島県を訪れ、内堀雅雄知事と会った。東京電力福島第1原子力発電所事故が尾を引く現状を踏まえ「早く前向きな仕事に取り組めるようにやっていく」と語った。汚染水を巡る原田義昭前環境相の発言についても「傷ついた方々に大変申し訳なく思う」と陳謝した。
小泉氏は被災地の復興が「政治家の原点で最優先課題だ」と公言し、復興政務官時代もたびたび被災地を訪れた。閣僚就任2日目での福島県訪問は有言実行を示す狙いがあり、内堀氏に来週、再訪する意向も伝えた。
小泉氏は年明けに育児休暇の取得を検討する。同じくポスト安倍に名が挙がる菅義偉官房長官は12日の記者会見で「閣僚で大事なのは公務最優先、危機管理に万全だ。3番目として小泉さんは奥さんの不安払拭といっていた。そういう中で対応する」と理解を示した。菅氏は小泉氏の入閣にあたり意向を探った。
茂木敏充外相は下旬に予定する国連総会に合わせた訪米に向け省内で事務方から説明を受けるのに時間を割いた。会長代行を務める竹下派の会合にも出席し「我々は経験、能力を持った人材の宝庫だ」と強調した。内閣改造・党役員人事では、病気療養中の竹下亘氏に代わり、首相に派のポストの希望を伝えた。
同じく竹下派から入閣した加藤勝信厚生労働相も会合で「再び厚労相という極めて重要な役割を担うことになった。しっかり成果をあげたい」と意気込んだ。
岸田文雄政調会長は岸田派の会合で「派閥の結束を考えた場合、よい人事だった」と同派から2人が初入閣した人事を振り返った。岸田氏は「安倍政権の安定につなげ、日本の政治をしっかり支える」とも強調した。
河野太郎防衛相は防衛省で職員らに「現場に赴き、その声に耳を傾け、思いを正面から受け止めたい」と訓示した。11日の就任直後の会見では「『ポスト安倍』でなくなる時が来るよう努力したい」と首相への意欲を隠さなかった。
官房副長官から初入閣した西村康稔経済財政・再生相は茂木氏から引き継ぎを受け「仕事師ぶりをしっかり引き継いでいきたい」と語った。萩生田光一文部科学相は職員へのあいさつで「若い皆さんにも大臣室の扉は開けておく」と述べた。