女子マラソン、野口が「金」 2004年アテネ五輪
2004年アテネ五輪の女子マラソン。マラトン市からパナシナイコ競技場という、1896年の第1回大会とほぼ同じ伝統あるコースを身長150センチの野口みずきが跳ねるように駆け抜けた。2時間26分20秒で金メダル。シドニー大会の高橋尚子に続く日本勢2大会連続の優勝に「頑張ってきて良かった」とうれし涙を見せた。
全身を目いっぱい使って広い歩幅で走る「ストライド走法」が代名詞。女子には向かないとされたスタイルを猛練習で身につけた。レース中盤、上り坂が一瞬緩んだ25キロ付近で早くもスパート。気温30度超の過酷な条件をものともせず、世界記録保持者のラドクリフ(英国)らを引き離し、ヌデレバ(ケニア)の追い上げもかわして笑顔でゴールに飛び込んだ。
五輪のマラソンで日本が表彰台に立ったのは、男女を通じてアテネ大会の野口が最後。今月15日には東京五輪代表選考会「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」が控え、五輪本番にもつながる積極的なレースが期待される。