再改造内閣始動 小泉環境相「課題を海外に発信」
内閣改造から一夜明けた12日午前、第4次安倍再改造内閣が本格始動した。安倍晋三首相は首相官邸で記者団に台風災害からの復旧などに触れ「現場、現場で全力をつくしてほしい」と語った。小泉進次郎環境相は午前10時すぎ、省内で原田義昭前環境相から引き継ぎを受け「環境問題は地球規模の課題だ。海外にも発信していきたい」と語った。
菅義偉官房長官は12日午前の記者会見で「安定した基盤の上に内政、外交であらゆる挑戦をしていく。全世代型の社会保障制度の実現に向け、皆さんの声をしっかり受け止めながら実行に移していきたい」と述べた。
小泉氏は12日朝、まず外務省に向かった。今後の海外出張に備え、公用パスポートの写真を撮った。9月下旬にニューヨークで開く国連総会の環境関連イベントに出席する予定を明らかにした。
小泉氏は原子力防災担当相を兼務しており、午後には福島県を訪問し、内堀雅雄知事にあいさつする予定だ。「福島の復興を後押しするのが役割だ。復興相になったつもりで頑張る」と語った。
河井克行法相は同日午前、山下貴司前法相から外国人材の受け入れ拡大など法務省が抱える懸案について引き継ぎを受けた。河井氏は「大事な課題ですね」と応じた。
茂木敏充外相も12日午前、外務省に登庁した。同日は外交の懸案事項などについて省幹部らから説明を受ける予定だ。茂木氏は経済財政・再生相からの横滑りで、9月中の協定署名を目標に掲げる日米貿易交渉を引き続き担当する。ロシアとの平和条約交渉を巡っては、ラブロフ外相との早期会談に意欲を示す。
女性閣僚では高市早苗総務相が安倍晋三首相とともに、全国消防殉職者慰霊祭に出席した。橋本聖子五輪相は都内で日本オリンピックミュージアムの設立セレモニーに出席した後に登庁し、職員にあいさつした。
今回は、麻生太郎副総理・財務相と菅義偉官房長官以外の17人の閣僚が入れ替わる大幅な内閣改造だった。初入閣は13人で、2012年の第2次安倍内閣発足後で最多だった。
首相は新体制を「安定と挑戦の内閣」と位置づける。社会保障改革では新たな会議を設け、子どもから高齢者までを対象にした大胆な改革に着手する。憲法改正にも取り組む考えだ。