第4次安倍再改造内閣が発足 初入閣、最多の13人
第4次安倍再改造内閣が11日、発足した。麻生太郎副総理・財務相と菅義偉官房長官以外は入れ替える大幅な改造で、初入閣も第2次安倍内閣発足後で最多の13人となった。安倍晋三首相(自民党総裁)は発足に先立ち、同日午前に開いた自民党の役員会で「新体制のもとでわが党の長年の悲願である憲法改正を党一丸となって力強く進めていく」と語った。
再改造内閣は皇居での認証式を経て発足した。首相はこれに先立ち、臨時閣議で閣僚の辞表をとりまとめ、公明党の山口那津男代表と党首会談を開いた。続いて、首相官邸に組閣本部を設置して新閣僚を呼び込み、菅氏が閣僚名簿を発表した。
初入閣は13人で2012年の第2次安倍内閣発足後、最多となった。これまで最も多かったのは18年の第4次改造内閣の12人だった。
環境相に充てる小泉進次郎氏は38歳で、戦後3番目の若さでの入閣となる。女性閣僚は総務相の高市早苗氏と五輪相の橋本聖子氏の2人となる。
外相は茂木敏充経済財政・再生相、防衛相には河野太郎外相が横滑りする。経済政策の柱に位置づける社会保障制度改革は、厚生労働相の加藤勝信氏と、経財相で社会保障担当を兼ねる西村康稔氏が中心となる。
経済産業相には菅原一秀氏を充て、ロシア経済分野協力担当相の兼務とする。文部科学相には官房副長官や幹事長代行を歴任した萩生田光一氏、一億総活躍相には首相補佐官を約6年半務めてきた衛藤晟一氏が就く。
各派閥が推薦していた「入閣待機組」では麻生派の田中和徳氏が復興相、岸田派の竹本直一、北村誠吾両氏はそれぞれ科学技術相、地方創生相、二階派の武田良太氏が国家公安委員長に就任する。公明党からは赤羽一嘉政調会長代理が国土交通相で初入閣する。
首相官邸を支える官房副長官は衆院から西村明宏氏、参院で岡田直樹氏が就く。事務の杉田和博氏は留任する。
自民党は11日午前、臨時総務会を開き、新執行部の人事を正式に決めた。二階俊博幹事長と岸田文雄政調会長、森山裕国対委員長は再任した。総務会長に鈴木俊一氏、選挙対策委員長に下村博文氏が就いた。二階、岸田、麻生、細田の各派から党四役を起用し政権基盤を安定させる。幹事長代行に稲田朋美、広報本部長に平沢勝栄両氏を起用し、山口泰明組織運動本部長を続投させる人事も決めた。甘利明選対委員長は10月の消費増税後の税制改正を仕切る税制調査会長に決まっている。
二階氏は記者会見で「首相はかねて憲法改正に意欲を持っている。意向に沿って党を挙げて憲法改正に向けて努力を重ねたい」と述べた。首相の党総裁4選に関しては「(首相は)決意表明されたわけではない。決意を固めたら国民の意向に沿う形で党を挙げて支援したい」と語った。首相は21年9月に党総裁の3期目の任期を迎える。