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大坂もうかうかできず 四大大会で見えた勢力変化

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全米オープンテニスの女子シングルスはカナダの19歳、ビアンカ・アンドレースクの初優勝で終わった。今年の四大大会を振り返ると、全豪オープンの大坂なおみ(日清食品)を除き、3大会で身長170センチ以下とテニスプレーヤーとしては大きくなく、パワーヒッターでもない選手が女王に輝いた。パワーテニス全盛の時代から、女子テニスは変わりつつあるようだ。

「全米の伏兵は女子がアンドレースク、男子は(準優勝した)ダニル・メドベージェフ(ロシア)」。2年続けて全米の決勝で敗れたセリーナ・ウィリアムズ(米国)のパトリック・ムラトグルー・コーチは開幕前、予想していた。「僕が言った通りだろう。彼女はそのうち世界1位になる。彼女は試合に必要ないろんなツールを持っている。トータルパッケージでいいんだ。ゲーム運びがうまい。運動神経もいいし、メンタルの強さもある」。決勝の前日にもそう話していた。

昨年の全米決勝が大坂とセリーナの力と力が激突した格闘技のような試合なら、今年の決勝は肩すかしにあい、どこか拍子抜けするような内容だった。

端的に言って、試合開始直後から激しくプレッシャーをかけていったアンドレースクの作戦勝ちだろう。質のいいサーブ、力強いショットを持っているけれど、それ以上にどんなボールにも食らいつく根性があり、ショットを打ち込む場所がいい。「全てのショットでセリーナを動かし、ボールを打つのが大変になるようにした」。やや無理な体勢からでも相手のコート深くや足元に返し、少し力を抜いた弓なりのショットも繰り出す。序盤、やや硬かったセリーナは強打するのが難しかっただろう。

そのアンドレースクが似ているといわれるのが、今年のウィンブルドン選手権を制した身長168センチのシモナ・ハレプ(ルーマニア)だ。決勝はセリーナを相手に、大方の予想を覆して2セットで快勝した。返す球が少しでも甘くなるとセリーナの餌食になるところだが、「女子随一のフィジカルの持ち主」と評される27歳は疲れ知らずのフットワークで打球に追いつき、しっかり踏み込んで打つ体重の乗ったショットで圧倒した。

全仏の覇者となり、9日付世界ランキングで1位に返り咲いたアシュリー・バーティ(23、オーストラリア)も身長は166センチ。燃え尽き症候群に陥った2015年、テニスを離れ、クリケットをしていた時期がある。プレー経験がないのに、すぐクリケットの代表入りも狙えるのでは、というレベルに達したというから、運動神経が相当いいのだろう。パワーは感じさせないが、唯一無二の武器であるバックハンドでのカミソリのような切れ味のスライスは、女子テニスでは必見のショットの一つだ。

セリーナ登場前夜の1990年代初め、モニカ・セレシュ(米国)がベースラインから強打をガンガンスタイルで台頭したものの、シュテフィ・グラフ(ドイツ)、アランチャ・サンチェス(スペイン)らがまだ健在だった。90年代後半にはゲームセンス抜群のマルチナ・ヒンギス(スイス)が覇権を握る。そこに現れたのがビーナス&セリーナのウィリアムズ姉妹で、女子テニスの状況は大きく変わった。

セリーナと同世代にはジュスティーヌ・エナン、キム・クライシュテルス(ともにベルギー)といった個性的な選手がいたものの、2010年前後に彼女らが引退すると、ビクトリア・アザレンカ(ベラルーシ)、ペトラ・クビトバ(チェコ)といった、ベースラインから強打を放つタイプが幅を利かすようになった。ときおりユニークな選手が出てきて四大大会を勝つこともあったが、「一発屋」で終わってしまうケースが大半だった。

今はセリーナより一回り以上若く、パワーテニス選手を見て育った世代がボリュームゾーンとなっている。パワーで劣ると自覚するこの世代の選手たちが世界レベルのテニスに分け入り、生き残ろうとするなら、力勝負に持ち込まないプレーを目指し、ほかの能力を伸ばすしかない。一方で、こうした若い世代はパワー選手との対戦経験も多いことから、セリーナや大坂のパワーは別格として、それ以外の選手の力のあるボールへの対応にはある程度慣れている。

四大大会初優勝が20年前の全米だったセリーナは「長くプレーしていて選手層が厚くなったと感じる。昔はもっと簡単に勝てる試合が多かったし、四大大会も準々決勝くらいからタフになってくる感じだった。今はどのラウンドもタフ」と話す。出産前のフィジカルが戻らず、最近は長いラリーを避けて早くポイントを決めようと強打に頼る傾向があり、より身に染みるのかもしれない。

「いろんなことをするので見ていて楽しい」と言われるアンドレースクだが、体への負担も大きいのか、太もも、足首、背中、肩……と故障が多い。「砂浜でのトレーニングで鍛えた」というハレプのようなフィジカルも簡単に身につくものでないが、彼女らの活躍は体格で劣る日本人にはヒントになるかもしれない。

今の時代、ハードヒットしているばかりでは道は厳しい。連覇を目指した全米の4回戦で大坂が負けたベリンダ・ベンチッチ(スイス)も力をいなすカウンターパンチャーだった。「もっと緩い球を使ってみるべきだった」と反省したように、それは大坂も十分理解しているけれど。

(原真子)

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