西川・日産社長、16日に辞任 暫定CEOに山内氏
後任決定は10月末までに
日産自動車は9日夜、横浜市内の本社で記者会見を開いた。西川広人社長兼最高経営責任者(CEO)が9月16日付で辞任すると発表した。後任は10月末までに指名委員会で決める計画で、それまでは山内康裕最高執行責任者(COO)が暫定的にCEOを代行する。
西川社長は辞任の理由について、業績回復に向けて「ある程度道筋をつけた」と説明。株価連動型報酬制度「SAR」を通じて本来より多い報酬をもらっていた問題については、同日の取締役会で返納を伝えたことで「区切りがついた」と述べた。「すべてを整理して次の世代に渡したかったが、やりきれなかったのは申し訳ない」とも語った。
西川氏の後任は社外の人材も候補に含める。7月の指名委員会で後任選びに着手し、約100人いた候補者をこれまでに10人に絞り込んだという。社外取締役で指名委委員長の豊田正和氏は後任の条件について「リーダーシップを発揮し、多くの方を説得する能力がある。世界の自動車産業に精通し、アライアンスやルノー、三菱自動車への深い理解と大きな関心があること」とした。
西川社長は2013年に、SARに基づく報酬を本来より多く受け取っていた。西川社長はかさ上げ分を返納する。制度自体も2020年度に廃止する。木村康取締役会議長は記者会見で「違法性はなかった」としながらも、SARの恣意的な運用があったとして「ガバナンス上、重く認識している」と述べた。
同日開いた取締役会では、元会長のカルロス・ゴーン被告による不正行為に対する社内調査の結果報告もあった。日産の被害総額は350億円と同社は推定。ゴーン被告の責任を明確にするため、損害賠償請求に向けた手続きを進めるとした。
日産自動車が選択を迫られている。
内田誠新社長のもと、業績をどう立て直すのか、筆頭株主である仏ルノーとの関係をどう再構築するのか。