2020年3月開館の京セラ美術館がラインアップ発表
2020年3月21日にリニューアル・オープンする京都市京セラ美術館(旧・京都市美術館)が開館後1年間のラインアップを発表した。本館では江戸期から現代までの京都の美術をたどる「京都の美術250年の夢」展、新設する新館「東山キューブ」は現代美術家の個展「杉本博司 瑠璃の浄土」展を開催する。コレクションルーム(常設展示室)も新設し、京都画壇の日本画を中心とする収蔵品の中から、季節に合った名品を年4回展示替えしながら紹介する。
「京都の美術~」展は「江戸から明治へ 近代への飛躍」「明治から昭和へ 京都画壇の隆盛」「戦後から現代へ 未来への挑戦」の3期に分けて、20年12月まで続く。出品作は日本画を中心に洋画、彫刻、工芸など400点を超す。曽我蕭白「群仙図屏風」(重要文化財、文化庁蔵)をはじめ伊藤若冲、円山応挙、竹内栖鳳、土田麦僊らの大家や現代の若手作家の作品が各地から集まる。
大海原の水平線を撮影した「海景」シリーズといった代表作がある杉本の「瑠璃の浄土」展は、京都では初の大規模展。科学者ニュートンのプリズム分光実験に着想し、05年から取り組んできたカラーの新作「OPTICKS」を世界初公開する。法勝寺の瓦など考古遺物もあわせて展示し「現代人の浄土観をビジュアル化する実験的な試み」(杉本)になるという。
東山キューブではアニメや漫画、ファッションといったジャンルも取り上げる。村上隆ら現代アーティストがドラえもんを題材にする「THE ドラえもん展KYOTO2020」や、美術評論家の椹木野衣氏が企画・監修する「平成の美術1989-2019」展(仮)も予定。京セラ株式会社との50年間のネーミングライツ契約、建築家の青木淳氏の館長就任などでも話題を集める同館の新機軸が見られそうだ。
(窪田直子)