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感染症関連4学会、抗菌薬安定供給へ提言

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日経メディカル Online

日本化学療法学会、日本感染症学会、日本臨床微生物学会、日本環境感染学会は3日、合同記者会見を開き、抗菌薬の安定供給に向けた提言書を8月30日付で根本匠厚労相に提出したと発表した。

今年3月、手術などの感染症を防ぐ抗菌薬セファゾリンの供給停止に端を発し、代替抗菌薬も相次いで不足した結果、多くの医療機関で適切な感染症治療が難しくなっている事態を受けて、4月に日本感染症学会が、5月に日本化学療法学会がそれぞれ緊急シンポジウムを開催した。抗菌薬を製造する上で様々な問題があることが浮き彫りになったことから、今回の提言をとりまとめた。

国内生産に向けてキードラッグ10剤を選定

提言書には(1)抗菌薬の生産体制の把握・公表(2)国内で製造可能な条件の整備(3)既存の抗菌薬の薬価の見直し(4)厚労相のリーダーシップによる解決──が盛り込まれている。さらに、臨床上重要な抗菌薬として10剤をキードラッグに選定し、併せて提案している。

学会が選定したキードラッグ10剤
(1)ペニシリンG
(2)アンピシリンナトリウム/スルバクタム
(3)タゾバクタム/ピペラシリン
(4)セファゾリン
(5)セフメタゾール
(6)セフトリアキソン
(7)セフェピム
(8)メロペネム
(9)レボフロキサシン
(10)バンコマイシン

今回のセファゾリン供給停止の背景には、医療費高騰に伴う薬価の引き下げにより、特に後発医薬品に関して、抗菌薬の生産拠点を製造コストの安い中国などに集中せざるを得ない実状がある。このように抗菌薬の製造を海外に依存している体制について「有事の際にはセファゾリンに限らず、多くの抗菌薬が入手困難になる可能性も否めない。これは安全保障にかかわる大きな問題」と指摘。各薬剤の生産体制を把握し、今回の供給停止のようなリスクについて評価するように要望した。

そして、抗菌薬の製造許認可の条件を見直しや、国内生産でも利益を生み出せるような薬価を設定するといった取り組みが必要と提案している。

薬価に関しては「医療費を抑える必要性は我々も理解しているが、国内でも肺炎をはじめ、感染症によって多くの命が失われている。そのため、他の抗菌薬と比較して安定供給が特に欠かせない薬剤をキードラッグとして選定し、薬価上での評価の見直しを行うべき」と提言している。

日本化学療法学会理事長の清田浩氏は「安定供給のためには国内での生産ラインの維持が必要不可欠だが、今の薬価では新たな設備投資に見合った利潤は出ない。そのため、ある程度薬価を上げる必要がある」と述べた。

4学会がキードラッグとして提案している10剤は、使用頻度、用途、およびカバーする菌のスペクトラム(守備範囲)などを考慮して選定した。使用頻度については、国公立大学附属病院感染対策協議会が公表している注射用抗菌薬の使用データを基に、第一世代セフェムからキノロン系抗菌薬までの9系統を主な選定対象とし、各系統の中で最も使用頻度が多いと思われる抗菌薬として選択している。

なお、今回のキードラッグの選定は注射薬に限定しているが、その理由として日本環境感染症学会副理事長の松本哲哉氏は「経口抗菌薬は用途が様々であり、一概に絞り切ることが難しいため」と説明した。

また、厚労相が抗菌薬を国内で製造販売する製薬企業に対して、主な原料を含めて国内での抗菌薬の製造を再開することを要請するといった助力も求めた。

日本感染症学会・日本臨床微生物学会理事長の舘田一博氏は「今回のセファゾリンの問題を受けて、抗菌薬全般の供給体制に大きな問題があることが分かった。このまま対策が講じられなければ、同様のことが再び起こる可能性は大いにある」と警鐘を鳴らした。

さらに、セファゾリンの供給停止に伴い、不適切な抗菌薬使用が増えている現状についても、「抗菌薬に関してはベターチョイスではなくベストチョイスを目指さないといけない。セファゾリンのような狭域スペクトラムの抗菌薬の代わりに、広域スペクトラムの抗菌薬が使われ続けると、長い目で見た時に耐性菌の問題が生じるだろう。今回の問題をきっかけに、医師、国、国民が一体となって抗菌薬について再考する必要がある」(舘田氏)と述べた。

(日経メディカル 中西亜美)

[日経メディカル Online 2019年9月5日掲載]

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