香港、なお抗議活動続く 撤回表明も収束見通せず
【香港=共同】香港政府が「逃亡犯条例」改正案の撤回を表明した4日夜以降も、デモ隊は九竜地区の警察署周辺など複数箇所で抗議活動を続け、警官隊と対峙した。デモ隊は普通選挙の実現など「五大要求」が受け入れられるまで闘うとしており、混乱の収束は見通せない。
香港メディアによると、黒い服を着た100人超のデモ隊が警察署を包囲。「五大要求は一つも欠けてはいけない」とスローガンを叫びながら警官に向けレーザー光を照射したほか、車道をバリケードで封鎖した。
別の鉄道駅周辺でも、デモの際に駅を閉鎖したことに反発した約200人が抗議活動を行った。一部が駅の設備を破壊し、複数の拘束者が出た。
勢いづく民主派や若者らは、政府の撤回表明について「遅すぎるし(譲歩も)少なすぎる」と反発、抗議を継続すると表明した。
一方、親中派議員は「撤回は過激派に妥協したわけではない」と強調。暴力がエスカレートした場合、政府は戒厳令に近いとも指摘される「緊急状況規則条例」などの適用を検討すべきだと主張した。