永瀬叡王、千日手指し直しの初戦制す 将棋王座戦
2日朝から神奈川県秦野市の陣屋で指されていた第67期将棋王座戦(日本経済新聞社主催)五番勝負の第1局は千日手指し直しの末、午後9時2分、90手で挑戦者の永瀬拓矢叡王(26)が斎藤慎太郎王座(26)を破り、タイトル奪取に向けて好スタートを切った。
持ち時間各5時間のうち、残りは斎藤王座0分、永瀬叡王7分。第2局は18日、大阪市のウェスティンホテル大阪で指される。
午前9時に始まった将棋は挑戦者先手で「角換わり相早繰り銀」に進んだが、午後3時8分に千日手が成立。「作戦か指し方がよくなかった」(永瀬叡王)。30分後に指し直し局が始まった。
先後を入れ替えての指し直し局では、永瀬叡王が積極的に銀を繰り出して先攻。銀1枚と桂香の2枚を交換する戦果を得た。最後は斎藤王座の反撃をかわし、先手玉を仕留めた。斎藤王座は終局後、「序盤が不用意だった」と反省を語った。
解説の佐々木大地五段は「7四銀(43手目)など、王座が粘りにいった手がうまくいかなかった印象」と話す。「先手の方が面白いのでは、と思う局面もあった。王座が形勢を悲観していた影響が出たのかもしれない」と分析した。
〈千日手局指し手〉▲7六歩△8四歩▲2六歩△3二金▲2五歩△8五歩▲7七角△3四歩▲8八銀△7七角成▲同銀△2二銀▲4八銀△6二銀▲3六歩△7四歩▲7八金△3三銀▲3七銀△7三銀▲4六銀△6四銀▲5八玉△9四歩▲3五歩△同歩▲同銀△8六歩▲同歩△8五歩▲2四歩△同歩▲3四歩△2二銀▲2四飛△8六歩▲8八歩△9五歩▲2六飛△2三歩▲6六歩△5四角▲4六銀△7五歩▲6五歩△同角▲4五銀△7二金▲3七桂△7三桂▲5六銀△5四角▲4五銀△6五角▲5六銀△5四角▲4五銀△6五角▲5六銀△5四角▲4五銀△6五角まで62手で千日手
〈指し直し局指し手〉▲7六歩△8四歩▲6八銀△3四歩▲7七銀△6二銀▲2六歩△7四歩▲2五歩△3二金▲7八金△8五歩▲5六歩△7三銀▲7九角△4一玉▲4八銀△4二銀▲2四歩△同歩▲同角△2三歩▲6八角△5四歩▲6六歩△6四銀▲5七銀△7五歩▲同歩△7二飛▲6七金△7五銀▲7六歩△8六歩▲同歩△8八歩▲7五歩△8九歩成▲7六銀△9九と▲4六銀△4四香▲7四銀△8二飛▲8五歩△7二金▲8四歩△同飛▲8五銀上△8二飛▲8四歩△3一玉▲8六角△3三角▲8三歩成△同金▲同銀成△同飛▲8四歩△8二飛▲7四歩△2二玉▲2五金△5五歩▲3四金△5六歩▲同金△6四桂▲5七金△5六歩▲6七金△5二飛▲3三金△同銀▲2四歩△同歩▲4一角△5一飛▲2三歩△同金▲6三角成△4六香▲同歩△5七歩成▲5二歩△6一飛▲7二馬△6七と▲6一馬△5七銀まで90手で永瀬叡王の勝ち