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大谷、ボール球をヒットにする妙技 その表と裏

スポーツライター 丹羽政善

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「これが最後か?」

帰る前、記者席からの眺めをカメラに収めていると、後ろから声をかけられた。レンジャーズの名物広報部長ジョン・ブレイクである。

彼が言う通り、そこからの景色はおそらく見納め。テキサス州アーリントンにあるグローブライフ・パークもあと1カ月ほどでその役目を終え、レンジャーズは来年から、南側に建設中の新球場に本拠地を移す。どうだろう。足を運んだ回数だけでいえば、もちろん、Tモバイル・パーク(旧セーフコ・フィールド)が一番多いが、2番目がグローブライフ・パークではないか。2001年からイチロー(現マリナーズ会長付特別補佐)の取材で年に数回は訪れ、ダルビッシュ有(現カブス)がレンジャーズと契約してからは、月に何度も来るようになった。

ただ、エンゼルスの遠征に帯同した今回が、これから何か突発的なことでも起こらない限り、最後になる。あれだけ通ったこの球場にももう、足を踏み入れることはない。

もっとも、感傷的になるほど、いい思い出があるわけではない。日本でいう"ゲリラ豪雨"が多く、しばしば試合が中断される。試合開始が遅れることも多く、午後9時過ぎから試合が始まったことも。また、夏場は気温が40度を超える。一方で室内はこれでもか、というくらい冷房が効いている。もちろん、いちばん大変なのは選手だが、自然に振り回されることが少なくなかった。

日本選手と縁のある球場

一方で、日本人選手のハイライトと結びついている。2008年7月29日、イチローが日米通算3000安打を記録したのは、テキサスだった。9年連続200安打をマークしたのも、同地である。また、14年5月9日にダルビッシュがあわやパーフェクトかという快投を演じたこともあった。単純に訪れた回数が多い、ということもあるが、なかなか見られない光景に立ち会ってきた。

大谷翔平(エンゼルス)とのエピソードはまだデビュー2年目ということもあって多くはないものの、昨年9月の数日は、濃厚だった。

昨年9月2日、大谷は投手としておよそ3カ月ぶりの復帰をヒューストンで果たしたが、右肘に張りを感じ、3日後に検査を受けた結果、右肘の側副靭帯に新しい損傷があることが発覚。「手術が必要になると思われる」と球団から発表されたのが、次の遠征地のアーリントンだった。ところが大谷は、検査前日にホームランを放っており、手術の勧告を受けた日もスタメンに名を連ね、2本塁打を含む4打数4安打、3打点、4得点の活躍。「あいつは本当に手術が必要なのか?」という声が、方々から漏れた。

大谷は、今回の遠征でも4試合のうち2試合にスタメン出場し、10打数5安打と相変わらず打ちまくっている。スタメン出場が2試合にとどまったのは、連日、気温が40度近くまで上がり、ダブルヘッダーが間に挟まった関係でマイク・トラウトらと指名打者枠を共有する必要があったからだが、4試合とも出場していれば、その分、ヒットを重ねたのではないか。

相手は手を替え品を替え攻めてくる。歩かせてもいいと、なかなか甘い球を投げてこない。しかし大谷は、ゾーンを外れた球さえヒットにしてしまう。完全にお手上げ、という感じだった。

もっとも、そこには表と裏があるよう。

ボール球を安打にすることについて、大谷が「いいところ、悪いところがある」と話したのは、3安打を放った8月20日のダブルヘッダー2試合目の試合後のこと。その日の3安打は、すべてがボール球を打ったもので、八回の5打席目は内角低めのスライダーを巧みに捉えてライト線に運ぶと一塁走者を迎え入れている。それは1点差に迫る貴重なタイムリーで大谷は「いいところに飛んでくれた」と話す一方、こう話した。

「何回もできるものでもないですし、何回か手を出したら、ほとんどファウルになるボールじゃないかなと思う。一番は反応しないほうがいい」

たまたまヒットになったが、そうなる確率そのものは低い――。見送るべきだった、というのだ。

では反対に、いいところとはなにか。

「(今は)ある程度、ストライクゾーンじゃなくても打てるような雰囲気はある」と大谷。つまりそれは、「いい感じでボールが見えている」ということを意味するそうだ。

ボール球はしっかり見送る

だからこそつい、ボール球にも手が出てしまうのかもしれないが、大谷は「ボール球はしっかり見送るというのが一番」と繰り返し、続ける。

「今日も間を抜けたりとかありましたけど、当たり的には決して良くなかったりする。ボール球はしっかり見送って、ストライクだけしっかり打てる準備ができていれば、それが一番いい」

そういえば1年目、2年目ぐらいのことだったと思うが、イチローもボール球をヒットにすることの弊害を口にしたことがあった。そうすることで脳が打てると勘違いして、実際にはそうした球をヒットにできる確率は低いのに、無意識に手を出してしまう――。

大谷も言わんとしていることは同じだろう。そもそも相手はボール球を振らせたい。仮にヒットにされても長打の可能性は低い。歩かせてもいい、と投げてくるボール球に手を出すことは、自らヒットの確率を下げることになる。

マークが厳しくなる中、あの日の3安打は、駆け引きで相手を上回ったように見えて実は今後、打撃を崩すリスクをはらむ――。大谷はそう言っているようでもあった。

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