東京建物、東京・京橋でフードテック拠点を開設
東京建物は28日、東京・京橋で食関連の実験施設を開設すると発表した。フード系のスタートアップが植物工場を設けて独自の生産システムを紹介するほか、シェフ向けに知見を共有できるコミュニティー拠点を提供する。テクノロジーで食に技術革新を起こす「フードテック」は世界的に注目が集まっている。東京建物はエリアのブランド向上につなげる狙いだ。
同施設は「トーキョーフードラボ」(東京・中央)で、9月3日に開業する。1階にプランテックス(千葉県柏市)が運営する植物工場兼研究施設「プラントリートウキョウ」、2階にはケイオス(大阪市)が運営する食関連の知見を共有や体験できる拠点「ユー」がある。東京建物が手掛ける駐車場から建て替えた。敷地面積は約100平方メートル、延べ床面積は約160平方メートル。
プラントリートウキョウの設備は従来の植物工場と比べ5倍を超える高い生産性が特徴。独自の人工知能(AI)技術と装置を活用し、光や空気、養液を均一かつ最適に管理・制御できるという。葉物野菜の生産も行うが、関連企業向けに技術を示すショールームの役割を担う。
ユーではシェフがお互いの料理を披露して知識や技術を共有できるワークショップや、国内外のシェフが講師として周辺の飲食店を対象にする勉強会を開催する。
東京建物は東京駅前の八重洲や日本橋、京橋エリアで多くのビルや駐車場を開発し保有している。今後、再開発や建て替えを順次進める予定だ。建物単体だけではなく「エリアの価値を高めることで、国際都市である東京のさらなる発展に貢献し、都市の未来に資する街をつくる」(福居賢悟専務)ことをめざしている。
東京建物はスタートアップへの支援に力を入れており、2018年4月にスタートアップが集積する拠点「クロスブリッジトウキョウ」(東京・中央)、18年12月にオープンイノベーション拠点「シティラボ東京」(同)を開設して運営している。
(小田浩靖)