EV送迎、仮想通貨で 北海道厚沢部町で地域交通実験
情報システム開発のインディテール(札幌市)とTISは27日、北海道厚沢部町で地域交通の実証実験を公開した。2台用意した電気自動車(EV)を町民がタクシー代わりに利用する。路線バスなど公共交通機関が乏しい過疎地で、住民が移動しやすい仕組みづくりをめざす。
実験の名称はISOU(イソウ)プロジェクト。高齢者が使いやすいように、送迎依頼はスマートフォンのほかに固定電話からも受け付ける。
利用代金はブロックチェーン(分散型台帳)による地域限定の仮想通貨「ISOUコイン」で支払う。ISOUコインは町役場などでスマホや専用カードに無償でチャージできる。換金できないようにしてあるため、いわゆる白タク行為には該当しないという。
実験は8月19~30日の予定で、北海道電力や日本オラクルなどが協力している。各社は得られたノウハウや改善点を、厚沢部町を含めた過疎地再生に役立てる考えだ。地域通貨や再生可能エネルギーによるEV充電と組み合わせることで、交通弱者対策にとどまらない地域振興を探る。