旭化成子会社、米AEDメーカーを292億円で買収
旭化成の米医療機器子会社のゾール・メディカル(マサチューセッツ州)は27日、同業の米カーディアック・サイエンス(CS、ウィスコンシン州)の買収を完了したと発表した。買収金額は292億円。両社はともに自動体外式除細動器(AED)を手掛ける。医療機関向けに強みを持つゾールは、商業施設向けなどに強いCSの販売網を取り込む。
旭化成はゾールを中心とする救急救命領域の売り上げを2025年までに現在の1.7倍の3150億円に伸ばす目標を掲げている。ゾールは医師などが使用する医療機関向けAEDに強い。CSは航空会社や銀行、レストランなどに設置されるAEDに強く、18年12月期の売上高は約9400万ドル(約99億円)。
米国のAED市場は23年までに年間7%で成長するとの予測がある。CSは米国の他にも約100カ国でAEDを販売、合計で約50万台を設置している。ゾールはCSの販路も生かし、中南米やアジアでAEDを拡販する狙いだ。