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バイオ3Dプリンター、細胞から人体組織

リコーやJSR、新薬評価に 血管・硬膜も

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細胞を使って人工的に組織を作り出す「バイオ3Dプリンター」が実用化の段階に入っている。新薬の安全性評価に使われ、リコーは細胞を載せたチップ製品を2020年春までに発売する。JSRがカナダ企業と協業したのも、毒性を調べられる肝臓組織を開発するためだ。人工臓器の製造を目指す企業もあらわれ、世界で競争が始まっている。

リコーが入居する川崎市の研究開発拠点で、自社開発したバイオ3Dプリンターが動いていた。「本物の細胞を狙った位置に並べられる」。源間信弘HC事業本部長は、独自技術を駆使したプリンターで、新薬の安全性評価のためのチップ製品を事業にすると説明した。これを皮切りに、複雑な組織の作製へと踏み込んでいく計画だ。

リコーはチップ製品を製造するうえで、最初に、患者の遺伝情報が含まれた細胞を培養して増やす。培養された細胞は、液体と混ぜてヘッドから押し出され、チップに並んだ穴に入る。製薬会社はチップに様々な患者の細胞を載せれば、開発中の薬がどんな人に合うかなどを調べられる。

同社のバイオ3Dプリンターはインクジェット方式を採用している。複写機で40年培ってきた技術が思わぬ分野で生きている。米国で20年春までに、日本でも21年春までに事業を始める。安全性評価の受託サービスも念頭に、25年度に売上高200億円を目指す。

新薬の安全性評価はバイオ3Dプリンターの最初の用途として広がりつつある。JSRとバイオプリンティング技術を持つカナダのアスペクト・バイオシステムズは18年に提携。ターゲットは人工の肝臓組織を作ることだった。薬に含まれる毒性の物質が、体の外に排出されるかを調べるために使える。

JSRは樹脂など素材を分子レベルで開発する高い技術を持つ。医療分野で生かそうと、慶応大学と様々な研究開発を進めている。米ジョンソン・エンド・ジョンソンもアスペクトと研究をスタートさせるなど、幅広い企業がバイオ3Dプリンターによる新薬評価の事業に関心を持っている。

新薬開発がひとつ成功するには臨床試験(治験)などに合計1000億円かかるとされる。人体組織を作り出し、現在の動物実験よりも人間に近いかたちで作用を調べられるようになれば、人間での治験に移った後の開発中止などを避けやすくなり「開発コストの削減につながる」(源間氏)と期待されている。

バイオ3Dプリンターは人工臓器の作製にも使われる見通しだ。富士フイルムなどが出資するサイフューズ(東京・文京)は9月にも、佐賀大学などと人工血管の臨床研究を始める。秋枝静香社長は「20年代前半には事業化させたい」と話す。

人工血管は、透析患者が血液浄化の際に使っている樹脂製の管(シャント)と置き換える。詰まって不具合を起こすことがあるからだ。人工血管にすれば血流の改善が期待されるという。

サイフューズはまず細胞を増やし、細胞の塊を作る。人工血管の3Dデータをもとにこの塊を剣山のような土台に串刺しにする。すると数日間で細胞がお互いくっつく。つながり合おうとする細胞本来の性質を利用。他社が必要とするような結合材料は不要だ。心臓バイパス手術での利用などを期待する声もある。

米調査会社マーケッツアンドマーケッツによると、1台あたり数百万から数千万円で販売されているバイオ3Dプリンターの世界市場は、21年に13億3260万ドル(約1400億円)となり16年の3倍を超す。

バイオ3Dプリンターが普及する上では、安全性の確認に加え製造コストを引き下げる工夫が必要だ。製薬会社や患者のニーズはあり、欧米や中国でスタートアップが生まれるなど関連企業が増えている。実用化を巡って競争が一層激しくなりそうだ。

 ▼バイオ3Dプリンター 樹脂や金属を吹き出して立体物にする3Dプリンターの技術を使い、細胞を材料に人体の組織を作る。ノズルから吹き出すインクジェット方式や、針に刺して積み上げる方式など複数ある。2010年代に製薬会社や研究機関で技術評価を目的に導入されてきた。大学発の技術などを生かす関連企業が生まれ、新薬開発や人工臓器の生産に応用されつつある。

(大下淳一)

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