メキシコ、4~6月期はゼロ成長 景気停滞鮮明に
【メキシコシティ=丸山修一】メキシコの国立統計地理情報院(INEGI)が23日発表した2019年4~6月期の実質国内総生産(GDP)の季節調整済み確定値は前期(1~3月期)比で横ばいにとどまった。7月発表の速報値は0.1%増だった。景気停滞が鮮明になっている。
確定値では、農業などの第1次産業が前期比3.4%、製造業や鉱業といった第2次産業も0.2%それぞれマイナスとなった。サービス業などの第3次産業は0.2%のプラスだったが、第1次、第2次産業の落ち込みを補うにとどまった。前年同期比では第2次産業はマイナスだったが、第1次産業、第2次産業がプラスとなり全体では0.3%増となった。
中央銀行にあたるメキシコ銀行は15日に政策金利を5年2カ月ぶりに引き下げた。ディアスデレオン総裁は「経済活動が停滞していることは明白だ」と話した。同行がまとめる年間の経済成長率の市場予想平均は1日発表の直近調査で0.79%となっている。1%を下回るのはマイナスとなった09年以来となる。20年予想も1.47%と低水準にとどまる。
公的機関の発表数値や民間機関の予想でも景気低迷が鮮明になっている中で、ロペスオブラドール大統領は強気の姿勢を崩していない。同日の定例会見でも「専門家が考えることとは違って、メキシコは順調に進んでいる。経済成長より発展が重要だ」と話した。「別のデータがある」として今年の成長率は2%を達成できるとの姿勢を崩していない。