小型分析装置のアトナープ、3300万ドルを調達
小型分析装置のアトナープ(東京・港、プラカッシュ・マーシー社長)はINCJやJPインベストメント、SBIインベストメントなどを引受先とする第三者割当増資を実施し、約3300万ドル(約35億円)を調達した。液体や固体、気体などの成分を分析する小型装置の開発を進める。
アトナープは医薬品や食品などの研究・製造現場で気体や液体などの性質と分量を測定する分析装置を開発している。気体の構成要素を定量測定する質量分析器「AMS」を製薬関連機器メーカーに提供しているほか、液体や固体の分子を測定する分光分析器「AOS」を大手医療機器メーカーと共同開発している。
同社が目指すのは超小型で高性能な分析装置の開発。従来の分子レベルまで分析ができる機器はオフィス用複合機ほどの大型サイズだったが、アトナープはAMSをノートパソコンサイズまで小型化した。
今後は販売先の業界を半導体製造装置などへ広げていく計画だ。調達した資金は、新たな業界向けのAMSの製品開発に生かすほか、AOSの共同開発費用にも充てる。
(佐藤史佳)