日本の高専がアフリカ支援 アブの肥料化、機械で時短
生ごみをアブに食べさせ肥料をつくるケニアの会社を支援しようと、長岡工業高専(新潟県)の生徒がごみや幼虫の仕分けに役立つ機械の開発に取り組んでいる。7月には試作品を現地に持参、実証実験も実施した。ケニアでは、農業生産力の向上が課題になっており、高専の技術力に期待が高まっている。
ごみを餌に成長した幼虫を乾燥させて肥料化。ごみと幼虫を混ぜて数日経過した後、ごみの腐敗を防ぐためごみと幼虫を複数回、仕分ける必要があり、この作業の時短が課題だった。
開発に取り組んだ生徒5人は円筒状のふるいを考案。粗さの違う大中小3種の網を横につないだ。ふるいを回転させると、粗さの違う網へ移動できるのが特徴で、幼虫とごみ、ふんの3種類の分類が可能となった。
実際に利用されるのはアメリカミズアブの幼虫だが、日本で入手しにくいため、5人はミミズや2センチに切ったパスタで代用、実験を繰り返した。
ケニアの会社は手作業で分別していたが、作業時間は約10分の1に短縮された。現地での実験も成功し、ケニア側は「期待以上」と大絶賛。チームリーダーの青木尚登さん(20)は「アブの幼虫を使ってごみを資源にする発想に引かれた。全自動化まで応援したい」と強調する。今後はモーターを付けて大型化を目指すという。
国際協力機構(JICA)が高専の技術力で開発支援しようと、ケニアのほかナイジェリアやウガンダで企画を募集。北九州工業高専(北九州市)と佐世保工業高専(長崎県)が水の使用量を把握する水力発電式メーター、北九州高専と都城工業高専(宮崎県)がコーヒー豆の糖度を計測する携帯アプリの開発に、それぞれ取り組んでいる。〔共同〕