データ活用、GAFAも出直し 安心感が次の競争力に
データの世紀 ワタシという商品(下)
「顔で払えますか?」。夏休みの家族連れでにぎわう和歌山県白浜町の海鮮市場「フィッシャーマンズ・ワーフ白浜」。土産物を持った観光客がレジ横のカメラをのぞくと約3秒で支払いを終えた。登録した顔データとクレジットカードを連携させ「顔パス」で決済する実証実験だ。NECが2019年1月から、地元の飲食店などと進める。浴衣姿の観光客が財布やスマホを持たずに街を歩ける。
データ資源は21世紀の「新たな石油」といわれる。企業や国の競争力を高め、世界の経済成長の原動力となる。一方、膨大なデータを独占するIT(情報技術)企業への富と力の集中や、人工知能(AI)のデータ分析が人の行動を支配するリスクなど人類が初めて直面する問題も生んだ。
連載企画「データの世紀」とネット社会を巡る一連の調査報道は、大きな可能性と課題をともにはらむデータエコノミーの最前線を追いかけている。
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