東商取の石油スポット低迷 海上物は5月以降ゼロ
東京商品取引所などが運営する石油製品のスポット(業者間転売)市場の取引減少に歯止めがかからない。東商取ではタンカーで取引単位100キロリットルの量を大口取引する「海上物」の成約が5月以降ゼロだ。石油元売り会社の再編が進み、商社や元売りに出回るスポット品の供給が減った。
スポット市場では元売りブランド以外のガソリンなどの余剰品を売買する。東商取の7月の取引量は前年同月比で約3割減の2450キロリットル。海上物の取引が姿を消したのが大きい。タンクローリーで給油所まで運ぶ10キロリットル単位の「陸上物」も減っている。
スポット市場には元売りや商社によるジェイオイルエクスチェンジ(JOX)もある。ここでも海上物は減少傾向で、1~7月の取引量は前年同期比16%少ない。
背景にあるのが元売りの再編だ。4月に出光興産と昭和シェル石油が統合したのを受け、市場を通じた余剰品取引は元売りグループ内の調整に切り替わった。スポット市場の関係者は「今春から取引が一段と減った印象」と話す。