リクナビのつまずき 個人情報の鉱脈、使う知恵試す
データの世紀 ワタシという商品(上)
データエコノミーの落とし穴があらわになった。人工知能(AI)が個人の心理を読む時代が現実となり、日本では学生データの利用を巡る「リクナビ問題」が起きた。個人情報を扱う責任を負いながら、便利なデータ社会を実現できるか。課題に直面している。
8月上旬、経済産業省にいら立ちが広がった。「最悪のタイミングだ」。職員の一人は唇をかんだ。
政府が20カ国・地域首脳会議(G20サミット)で「信頼ある自由なデー...
データ資源は21世紀の「新たな石油」といわれる。企業や国の競争力を高め、世界の経済成長の原動力となる。一方、膨大なデータを独占するIT(情報技術)企業への富と力の集中や、人工知能(AI)のデータ分析が人の行動を支配するリスクなど人類が初めて直面する問題も生んだ。
連載企画「データの世紀」とネット社会を巡る一連の調査報道は、大きな可能性と課題をともにはらむデータエコノミーの最前線を追いかけている。