香港民主派が抗議集会 主催者「170万人参加」
【香港=比奈田悠佑】「逃亡犯条例」の改正案をきっかけとするデモが続く香港で18日、民主派団体の呼びかけで大規模な抗議集会が開かれた。警察による暴力行為の検証などを求め、集会の後に警察が許可しなかったデモ行進も行った。主催者によると170万人が参加した。6月中旬の200万人に次ぐ規模で、11週目となる抗議活動の勢いは衰えておらず、収束の兆しはみえない。
民主派団体「民間人権陣線」の主催で香港島のビクトリア公園で集会を開いた。警察はデモ行進を認めていなかったが、参加者が会場に入りきらずに「流水式集会」と称して幹線道路を歩いた。
デモ隊と警察の衝突が常態化し、香港国際空港が一時、機能停止に陥るなど混乱は拡大していた。重傷を負う人も出ており、抗議活動への一般市民の支持が集まるかが焦点となっていた。
集会やデモ行進で参加者は「五大要求」を掲げた。警察の暴力行為を調査する独立委員会の設置、有権者が1人1票を投じる普通選挙の実現、改正案の完全撤回、抗議者の逮捕取り下げ、抗議を暴動とした認定の取り消しの5つで、参加者は「一つも欠かさない」などと声をあげた。
18日のデモは学生以外に家族連れや会社員の参加も目立った。17日には教員の抗議活動も行われ、社会の幅広い層が香港政府へ不満を抱えていることを示している。香港の有力紙「明報」が800人超の香港市民を対象に8月上旬に実施した調査では、一連の混乱で経済的な影響が出た場合、香港政府に原因があると考える人は5割超を占め最も多かった。デモ参加者に原因があるとする人は1割以下だった。