トランプ氏「香港問題に人道的対処を」、中国をけん制
【ワシントン=中村亮】トランプ米大統領は14日、香港での「逃亡犯条例」の改正案をきっかけにした抗議活動に関連し「中国はまず香港問題に人道的に対処すべきだ!」と指摘した。米中貿易摩擦の解決に向け、香港問題を優先的に取り組むべきだとの見方を示した。トランプ氏は13日には中国政府が部隊を香港との境界に派遣したと指摘しており、力による中国の介入を重ねてけん制した形だ。
トランプ氏はツイッターへの投稿で「(中国の)習近平(シー・ジンピン)国家主席が迅速かつ人道的に香港問題を解決したいと思えばそうできるということを私は全く疑っていない」と指摘した。習氏に対して「個人的に会談するか?」とも呼びかけた。トランプ氏は13日も香港のデモについて「平和的に解決することを望む」などと強調していた。
米国務省の報道担当者は14日、「中国や全ての当事者は香港の人々の自由や高度な自治を尊重する解決策を模索するよう求める」との見解を示した。中国政府が香港との境界に部隊を派遣したとの報道には「深く懸念している」と強調し、中国の介入をけん制した。
米国は1997年に香港が中国に返還された後も高度な自治を約束した「一国二制度」に基づき、通商面などで香港に優遇措置を講じてきた。ただ国務省担当者は「香港の自治への侵食が続くと長年にわたって築いた特別な地位が危うくなる」と指摘した。全ての当事者に自制を求めると主張しつつも「我々は表現や平和的集会の自由を固く支持している」と訴えた。