台風10号で交通機関「待避」 山陽新幹線は計画運休
大型の台風10号が15日に西日本に上陸する見通しとなり、交通機関では大雨や暴風に備えた「待避」の動きが広がった。お盆休みのUターン時期と重なるなか、安全確保と混乱防止のために新幹線の計画運休や間引き運転が決まり、空の便も欠航の決定が相次いだ。
JR西日本は14日午前、山陽新幹線の新大阪―小倉間の運転を15日に終日見合わせると発表した。同新幹線の計画運休は2018年9月の台風21号、24号に続き3回目。15日はUターン客などの利用が見込まれていたが、広報担当者は「乗客の安全確保を第一に考えた。事前に運休を知らせることで混乱を防ぎたい」としている。
JR東海は15日に山陽新幹線と東海道新幹線との直通運転を取りやめ、同新幹線の本数を上下線で50本以上減らして運行する。その分、16、17日の朝の時間帯を中心に上りの「のぞみ」を増発して対応する。九州新幹線も15日は始発から本数を減らして運行する。
国内の空の便は14日に九州発着を中心に日本航空で約70便、全日空で約40便が欠航した。15日は日航が170便以上、全日空が120便以上の欠航を決めた。
西日本高速道路は台風の暴風域に入る見込みの大分道や東九州道、岡山道などが15日に一部区間で通行止めとなる可能性があるとしている。
18年9月に台風21号の強風で流されたタンカーが連絡橋に衝突した関西国際空港の周辺海域では、第5管区海上保安本部が100トン以上の船舶の航行を原則禁止にした。
兵庫県西宮市の甲子園球場で行われている全国高校野球選手権大会は、選手や観客の安全などを考慮して15日の4試合が翌日に順延された。徳島市で開かれていた阿波おどりは14日に引き続き、最終日の15日も中止となった。
気象庁によると、14日に九州、四国に接近した台風10号は15日に西日本に上陸し、北上して日本海に抜ける見通し。広い範囲で大雨や暴風が予想され、同庁は厳重な警戒を呼びかけている。
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