人民元基準値、9日続落 1ドル=7.0326元
元安容認の見方
【上海=張勇祥】中国人民銀行(中央銀行)は13日、人民元取引の基準となる「基準値」を1ドル=7.0326元に設定した。前日比0.0115元のドル高・元安で、元は9日続落になった。取引実勢と基準値に開きが残っていることに加え、通貨当局が緩やかな元安進行を容認しているとの受け止めが多い。
13日午前の上海外為市場で人民元は、前日終値近辺の1ドル=7.06元台で推移した。12日には一時7.07元台まで元安が進行していた。
基準値は前日終値に複数通貨からなる「通貨バスケット」の変動を反映して算出するが、急激な元安を避ける「逆周期因子」と呼ぶ要素も加味している。8月以降のような急激な元安進行時には、基準値は遅れて追随するケースが多い。
一方、基準値の設定には当局の恣意的な面が残っており、元が9日続けて値下がりしたことは元安容認のシグナルとの見方が一般的だ。香港を中心としたオフショア市場では1ドル=7.1元台まで元安が進む場面があった。当局の影響力が強い上海市場や基準値で元安がどこまで進むかが当面の焦点になっている。
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