サウジアラムコ、印大手財閥の石油事業に20%出資
1.5兆円超投資 インドの需要取り込む
【ムンバイ=早川麗】インド大手財閥リライアンス・インダストリーズ(RIL)は12日、サウジアラビア国営石油会社のサウジアラムコが同社の石油関連事業に20%出資することで合意したと発表した。出資額は150億ドル(約1兆5750億円)に上る。RILは出資受け入れで原油を安定的に確保し、サウジアラムコは高まるインドの需要を取り込む。
アラムコが出資するのはRILの石油精製や石油化学製品、燃料販売の事業。これらの事業価値は750億ドルと評価され、20%出資は金額にして150億ドルに上る計算だ。アラムコは1日あたり50万バレルの原油を、印西部グジャラート州にあるRILの精製所に長期間供給する。
英石油大手BPの世界エネルギー統計によると、インドの原油の消費量は2018年で1日あたり515万バレル強。米国と中国に次ぎ、世界で3番目に多い。07~17年の間にインドの原油消費量は年率5%増え、18年は前年比5.9%増えた。足元の経済成長は鈍化しているものの、7%前後の伸びが続いており、エネルギー需要は今後も高まる見通しだ。
RILは19年3月期の売上高が約10兆円、純利益が約4000億円とインド最大級の民間企業だ。主力は石油精製や石化製品の製造販売で、近年は携帯電話事業や小売業など消費者向けの分野にも力を入れている。時価総額は11兆円規模で、ムンバイ証券取引所に上場する企業ではタタ・コンサルタンシー・サービシズ(TCS)と1、2位を争う。
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