国際エネルギー機関、原油需要予測を引き下げ
【ロンドン=篠崎健太】国際エネルギー機関(IEA)は9日発表した8月の石油市場月報で、世界の原油需要の成長見通しを下方修正した。前年からの伸びは2019年が日量110万バレル、20年は日量130万バレルとし、それぞれ前月時点の予測と比べて10万バレル、5万バレル引き下げた。世界景気の減速を反映したもので、米中の貿易摩擦で「状況は一段と不透明になってきた」と指摘した。
IEAによると、1~5月の世界の原油需要の伸びは日量52万バレルで、同期間としては米金融危機時の2008年以来の低さにとどまった。景気減速を背景に「見通しは脆弱で、上方修正よりも下方修正の可能性が高い」との見方を示した。
トランプ米政権が中国に追加関税第4弾を課す方針を1日に表明後、原油市場では売り圧力が強まっている。国際指標である北海ブレント原油先物(期近物)は7日に一時1バレル55.88ドルと、1月上旬以来の安値水準をつけた。4月の年初来高値(75.60ドル)からの下落率が2割を超えて「弱気相場」入りした。
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