ベトナム海域の中国調査船退去 ベトナム報道官
【ハノイ=大西智也】ベトナム外務省報道官は8日、南シナ海におけるベトナムの排他的経済水域(EEZ)で活動を続けていた中国の海洋調査船がEEZから離れたことを明らかにした。中国海警局の艦船も同行し、1カ月にわたりベトナムの艦船とにらみ合っていた。ベトナム側は「主権侵害行為には断固反対する」と繰り返し表明し、即時退去を求めていた。
レ・ティ・トゥ・ハン報道官は同日、ハノイ市内の定例会見で7日に中国の海洋調査船がベトナムのEEZを去ったことを明らかにした。国際法に基づき、対話の重要性を強調した上で「引き続き状況を注視したい」と話した。
中国とベトナムは南シナ海における南沙(英語名スプラトリー)諸島の領有権を争っている。ベトナムのファム・ビン・ミン副首相兼外相は1日、バンコクで中国の王毅外相と会談し、ベトナムのEEZでの海洋活動に抗議していた。
7月31日の東南アジア諸国連合(ASEAN)外相会議でも複数の外相が南シナ海でベトナムなどと中国との緊張の高まりに懸念を表明していた。