フジクラ、5G向け集積回路開発へ 高周波帯「ミリ波」
フジクラは7日、次世代通信規格(5G)向けの高周波帯「ミリ波」に対応した集積回路の開発を始めると発表した。ミリ波の通信速度は現状のLTE(4G)回線の10倍以上という。21年度に実用化を目指し、2026年3月までに世界シェアで1割以上、売上高で数十億円規模の製品に育てる考えだ。
基地局の無線装置に搭載し電波をやり取りする通信モジュールの商用化を目指す。米IBMの持つ技術特許の実施権を取得し、チップ部分などの開発を進める。
5Gは米国などで実用化が進み、6ギガ(ギガは10億)ヘルツ以下の周波数帯の電波を使ったサービスが主流。フジクラはより高速通信に適した「ミリ波」と呼ばれる28ギガヘルツ帯の電波に対応した製品を開発する。
モジュールの開発では、光ファイバー製品で培ったガラス素材などの材料技術を活用。特定の周波数を送受信するフィルター部分の穴の開け方で新たな設計を採用し、電波の損失を抑えるよう工夫する。
まず国内工場で生産する方針で、5G関連の需要の伸びに合わせてタイやベトナムの拠点での生産も検討していく。