鹿島の4~6月、純利益31%減 追加工事の獲得少なく
鹿島が6日発表した2019年4~6月期の連結決算は、純利益が前年同期比31%減の189億円だった。同期間の減益は2年連続。好採算の追加工事の獲得が減り、新工法の導入などで一部土木工事の採算が悪化した。労務費や資材費も高止まりした。取引時間中の発表を受けて株価は一時、前日比6%安の1278円まで下落した。
売上高は2%増の4272億円。建設事業(単体)の売上高は6%増の2660億円だった。大型のオフィスビルやホテルなど都心の再開発案件で工事が進行した。連結営業利益は36%減の194億円だった。建設事業の採算を示す完成工事総利益率(単体ベース)は4.3ポイント減の10.6%だった。
建設事業のうち土木部門の利益率は13ポイント減の8.7%。東京五輪などに伴う工事案件の増加が一服。追加工事の獲得も進まなかった。建築部門の利益率は1.4ポイント減の11.2%だった。入札で決める案件が増え採算が低下した。前期に引き渡しのあった大型商業施設がなくなった反動も出た。
株式市場では「想定より減益幅が大きかった。土木の採算が悪化したことが売りにつながったようだ」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券の八木亮氏)との指摘が聞かれた。「新工法に挑戦する中で、労務費や資材費が増えたようだ」(国内証券アナリスト)との声もあった。
20年3月期の業績予想は変えなかった。売上高で前期比3%増の2兆400億円、純利益は18%減の900億円を見込んでいる。
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