アスクル社外取、一般株主の9割が再任賛成
アスクルは5日、2日に開いた株主総会での取締役再任議案に対する賛成比率を発表した。独立社外取締役3人は、合わせて約6割の議決権を持つ筆頭株主のヤフーと第2位株主のプラス(東京・港)の反対で再任が否決された。ただ、2社を除く一般株主からは9割以上の賛成を得ていた。
独立社外取締役の賛成比率は、戸田一雄氏が26.25%、宮田秀明氏が26%、斉藤惇氏が25.6%だった。
親会社が決定権を持つ上場子会社では、親会社を除く一般株主の賛否が重要になる。ヤフーとプラスを除く一般株主からは93%~95%の賛成比率だった。中立の立場から一般株主の利益を守る役割を負う独立社外取締役については、一般株主の大半は再任の意思表示を示していたことになる。
一方、岩田彰一郎前社長の取締役再任議案への賛成比率は20.8%。両社を除いた賛成比率も75.74%で、業績低迷を反対の理由としたヤフーの主張が一般株主からも一定の支持を得たとみられる。
5日の東京株式市場では、ヤフーとアスクルの株価がともに大きく下落した。総会後に就任したアスクルの吉岡晃社長が引き続きヤフーに資本・業務提携の解消を求めていく方針を示したことで、両社の対立が長期化することを懸念する売りが広がった。
ヤフーの株価は一時、前週末比15%(47円)安の273円をつけた。2日の取引終了後に発表した2019年4~6月期の決算が市場予想を下回ったことも売り材料となった。アスクルの株価は一時7%(193円)安の2526円まで下げた。終値はヤフーが13%安、アスクルが6%安だった。
ソフトバンクの宮内謙社長は5日の決算会見で「ヤフーを肯定したい。事業を大きく伸ばすための大義があったと判断している」と述べた。