立民、国民に衆院会派入り提案 100超めざす 参院国民に不満も
立憲民主党の枝野幸男代表は5日、国会内で国民民主党の玉木雄一郎代表と会談し、今月中旬をめどに社民党や無所属を含めて衆院会派に加わるよう提案した。参院選で伸び悩み、野党間の合従連衡に慎重だった方針を転換した。野党第1会派として100議席超をめざす。ただ、日本維新の会との統一会派構想がある参院国民民主などから不満が出ている。
枝野氏は会談で「政権の選択肢として期待と信頼を高めるには、数の力を背景とした与党に対抗しうる強力な構えが必要だ」と語った。玉木氏は「ありがたい提案だ」とし、党内で議論する考えを伝えた。
枝野氏は旧民進系の無所属議員がつくる衆院会派「社会保障を立て直す国民会議」の野田佳彦代表にも提案した。野田氏も「歓迎したい」と持ち帰った。社民党の又市征治党首には、立民の福山哲郎幹事長が提案した。
衆院会派の議席は立民が70、国民民主は39、「社保」は8、社民は2で、合計すると119議席となる。2012年の第2次安倍政権発足後、衆院で民主党や民進党など野党第1会派は100議席を下回ってきた。
5日、立民の両院議員総会では「これまで政党間の合従連衡にくみしないと言っていたのと違う」との異論も出たが、枝野氏に対応を一任した。立民執行部は衆院会派で野党の枠組みをつくれば、政権を狙う固まりを示せるのを優先した。
立民は7月の参院選で当初の想定よりも伸び悩んだ。これを受け、ベテラン議員らが野党結集に距離を置く枝野氏に柔軟な対応を求めていた。
実現にはハードルもある。参院国民民主では参院選で競合した立民への不満が強い。参院議員の一人は5日、「枝野氏のご都合主義にもほどがある。反対だ」と語った。
参院国民民主には、維新との統一会派構想も浮上している。安倍晋三首相は国民民主に改憲論議への協力を呼びかけており、同党内には改憲論議に応じるべきだとの意見もある。国民民主の執行部は衆参両院で対応が割れることを懸念する。臨時執行役員会で協議した後、玉木氏は「衆院のみではなく、衆参一緒にやろうと立民に返事すると決定した」と説明した。