東京都羽村市、NEDOなどと蓄熱システムの実証実験
東京都羽村市は新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)などと、低温廃熱を再利用する蓄熱システムの実証実験を始めた。日野自動車羽村工場で発生した廃熱を蓄熱して、市の温水プールを温めるのに利用する。
NEDO、日野自のほか高砂熱学工業、東京電力エナジーパートナー(東京・中央)、森松工業(岐阜県本巣市)、産業技術総合研究所が実験に参加する。
日野自羽村工場のコージェネレーション(熱電併給)システムで出る排ガスなどの廃熱を、産総研が開発した無機系吸放湿材「ハスクレイ」を原料とした蓄熱材に吸収させる。湿らせた蓄熱材に、セ氏80~150度の廃熱を当てて乾燥させることで蓄熱できるという。
その後約2キロメートル離れた市スイミングセンターへ蓄熱材を輸送、セ氏30~40度の湿った空気を当てて蓄熱材に同70~100度の熱を発生させ、プールの水を温める。
セ氏100度程度の低温廃熱は用途が限定され、大部分が未利用のまま放出されているという。2020年2月まで実験を行い、除湿や暖房などに使える熱利用システムとしての技術の確立を目指す。