日経平均反落、下げ幅一時400円超 米中の対立再燃
2日午前の東京株式市場で日経平均株価は大幅に反落した。前日比509円36銭(2.36%)安の2万1031円63銭で前場を終えた。下げ幅は一時500円を超え、節目の2万1000円に接近した。米国の対中追加関税発動表明を受けて、米中摩擦の激化懸念が再燃した。世界経済を下押しするとの警戒感から景気敏感株を中心に幅広い銘柄に売りが出た。円高・ドル安進行やアジア株安も重荷となった。
世界経済の下押し懸念が売りにつながった。トランプ米大統領は1日、ほぼすべての中国製品に関税を課す「対中制裁第4弾」を9月1日に発動すると表明した。6月末の米中首脳会談以降、両国の緊張の緩和が投資家心理の支えとなってきただけに、摩擦の再燃で景気敏感株に一気に売りが膨らんだ。
外国為替市場で円相場が一時106円台後半とほぼ1カ月ぶりの円高水準となり、機械や自動車、電気機器など主力の輸出関連株の売りに拍車を掛けた。中国・上海などアジアの株式相場が軟調に推移すると海外ヘッジファンドなどが売りの勢いを強めた。
日韓の対立を材料視する向きは少なかった。政府は2日、輸出管理上の優遇措置を受けられる「ホワイト国」から韓国を除外する政令改正を閣議決定した。世耕弘成経済産業相は閣議後の会見で「日本企業に悪影響はない」と述べ、市場ではひとまず静観の姿勢が目立つ。
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)も大幅に反落した。日経平均先物は一時、2万1000円の大台を下回った。
前引け時点の東証1部の売買代金は概算で1兆3334億円。売買高は7億1195万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1989と全体の9割超。値上がりは130、変わらずは25だった。
ファナックとダイキンが下げた。TDKや日東電、京セラなど電子部品株が安い。トヨタやホンダの下げが目立つ。一方、花王が上げた。カシオとNECが高い。コナミHDとサイバーがしっかり。
〔日経QUICKニュース(NQN)〕