NY株280ドル安、原油も急落 米中貿易摩擦が再燃
【ニューヨーク=後藤達也】1日の米株式相場は大幅続落した。ダウ工業株30種平均の終値は前日比280ドル安の2万6583ドル。トランプ米大統領が1日午後、中国に追加関税の第4弾を課すと表明し、株式を売る動きが強まった。市場では米中貿易交渉が前進するとの期待が強かっただけに、原油価格の急落や円の急上昇など市場全体に動揺が広がった。
トランプ大統領はツイッターで新たな制裁として約3千億ドル(約33兆円)分の中国製品に9月1日から10%の関税を課すと表明した。ダウ平均は午前中は値上がりしていたが、ツイート後に一気に売りが強まった。業績への影響が大きいとの見方からベストバイやギャップなどの小売株が大幅安となった。スマートフォンが関税の対象となるため、アップルの下落も目立った。
世界経済の減速不安も再燃し、原油価格も急落した。ニューヨーク市場の原油先物価格(期近物)は前日比7.9%安の1バレル53.95ドルで取引を終えた。
資金は米国債に向かい、10年物国債利回りは1.87%と前日より0.13%低下し、2016年11月以来の低水準を付けた。米連邦準備理事会(FRB)が9月も利下げするとの観測も再び強まった。安全資産とされる円も買われ、1ドル=107円30銭程度と1日夕の東京市場と比べ2円ほど円高・ドル安が進んだ。金先物も買われ、約6年ぶりの高値を付けた。