長崎新幹線のフル規格化、商議所会頭「佐賀と時間軸違う」
長崎の地域活性策を話し合う「長崎サミット」が1日、長崎市で開かれ、九州新幹線西九州ルート(長崎新幹線)の整備で佐賀県側の理解が得られないことに、経済団体や行政のトップが相次ぎ言及した。未着工区間の新鳥栖―武雄温泉(すべて佐賀県)のフル規格化を求める長崎側に対し、佐賀県は財源負担などを理由に反対している。長崎商工会議所の宮脇雅俊会頭は「長崎と佐賀で時間軸の違いは感じる」と話した。
経済団体では長崎経済同友会の坂井俊之代表幹事も「佐賀市民が必要性を感じていないという印象を持った。フル規格化のメリットなどを市民らに粘り強く訴えることも必要」と話した。長崎商議所の宮脇会頭は「佐賀県の商工会議所連合会はフル規格での整備を県知事に要望しており、スタンスは変わらないと聞いた」と説明した。
佐賀市長とこのほど会談した長崎市の田上富久市長は「佐賀市は長崎県の事情を理解してもらっているが、結論を急がされている、との思いがあるようだ」との見解を示した。
整備新幹線は北陸新幹線も同時進行しており、長崎側としては「このままでは後れを取ってしまう」との危機感がある。長崎県の中村法道知事は「新幹線の並行在来線の問題など、協力して国などに働きかけようと呼びかけているが理解してはもらえない。財源負担額も大きく、他に優先すべき施策があるとして急いでいない」と、打開策を見い出せないことを説明した。
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