参院初登院、新人議員「期待に応えたい」
7月の参院選後初めての臨時国会が1日召集され、選挙を勝ち抜いた新人議員が国会議事堂へ初登院した。重度の身体障害を持つ議員が誕生し、国会のバリアフリー化が急速に求められている。「様々な立場の声を反映したい」。朝から強い日差しが降り注ぎ蒸し暑いなか、各議員は決意を胸に一歩踏み出した。
れいわ新選組の船後靖彦氏(61)と木村英子氏(54)は午前9時ごろ、福祉車両でそれぞれ国会前に到着した。介助者の付き添いのもと、大型の電動車いすで車両から現れると、集まった支援者らの拍手に包まれた。
参議院はこの日までに、大型の車いすのまま議席に着けるよう本会議場などを改修した。次第に全身が動かせなくなる難病「ALS(筋萎縮性側索硬化症)」患者の船後氏は、介助者を通じて「たくさんの人が来てくれて驚いている。ご期待に応えられるようにしたい」と語った。
脳性まひで右手以外の体をほとんど動かせない木村氏は「重度障害者が国会議員に初めて当選し、参院の皆様に迅速に対応いただき、ありがとうございました」と話した。その後、2人は国会の中央玄関に設置された仮設のスロープを通り、本会議場に向かった。
岩手選挙区の国民民主党の元パラリンピック選手、横沢高徳氏(47)も車いすで初登院。「東京五輪・パラリンピックを控え、バリアフリー先進国と呼ばれる国にしていきたい」と緊張した様子で語った。
宮城選挙区の立憲民主党の石垣のり子氏(45)は小学生の子どもを持つ母親として「ワーキングマザーといっても状況は様々で、多くの声を聞いていきたい」。東京選挙区の立憲民主党で元都議の塩村文夏氏(41)は「就職氷河期の問題や社会保障の改善を訴えてきた。有権者の期待を裏切らない6年にしたい」と語った。
大阪選挙区でトップ当選した日本維新の会の梅村みずほ氏(40)は小学2年生の長男と5歳の長女と手をつなぎながら登院し「国会に維新の風を吹かせたい。子どもに見られているので、恥ずかしい仕事はできない」と話した。
全国最年少で当選した愛知選挙区の公明党の安江伸夫氏(32)は「年上の議員ばかりだが、のまれないよう未来のために向かっていきたい」と意気込んだ。
NHKから国民を守る党代表の立花孝志氏(51)は、国会の正門前で「NHKをぶっこわす」と連呼。無所属の丸山穂高衆院議員が入党を表明しており「(政党交付金を受け取るための届け出期限の)8月13日まではなりふりかまわず、あと1人の入党を目指していく」と強調した。