「2号ファンド、9月にも開始」 ソフトバンクG孫会長
ソフトバンクグループ(SBG)が7日15時に2019年4~6月期連結決算(国際会計基準)を発表した。純利益は前年同期の3.6倍の1兆1217億円となり、3ヵ月間の純利益としては日本企業で最大だった。アリババ株の売却に伴う利益を1.2兆円計上したことが大きい。
16時から始まった決算会見に出席した孫正義会長兼社長は、第2号ファンドの投資開始時期について「来月か再来月から始まる」との見通しを示した。経営陣の発言をタイムライン形式でまとめた。
【17時43分】決算会見が終了
【17時40分】孫会長、納税額にも言及
国内の法人税の納付について問われた孫氏は「当社は日本の平均的な大企業よりも納税比率が高い。年によって納税額が多い少ないはあるが過去の累計で見ると納税率は高い方だと思う。個人の納税ももっとも多い部類に入る」と述べた。その直後、納税額が大企業よりも多いとした点について、経理統括の君和田和子常務執行役員が否定し、「中くらい」と修正した。
【17時30分】「2号ファンドのテーマもAI」
孫会長は2号ファンドの投資テーマを問われ「(1号ファンドのAIと)変更なし」と答えた。
【17時25分】「親子上場、海外でも事例はたくさんある」
親子上場が問題視されているとの質問に対し、孫会長は「多くのメディアが勘違いしている。親子上場は欧米で禁止されていないし、事例もたくさんある。最近、案件は増えている。例えばスプリント。ソフトバンクがアメリカで上場させている状況。Tモバイルやシーメンス、フォルクスワーゲンも同様だ。国をまたいではいるが。最近の報道は事実と異なる。親子上場を理由に投資しない人はそうすればいいだけだ」と持論を述べた。その上で「ガバナンス的には社外役員の増員や少数株主の保護は大事だ。ちなみにアスクルの件(株主総会でアスクル大株主のヤフーがアスクルの社長選任などに反対)は忖度させた覚えはないですよ」と話した。
【17時17分】「苦しい投資だが、悪いリターンではない」
孫会長は、スプリントについての総括を問われ「大変、危険な道のりだった。一方で株主価値は3倍のリターン、1兆円の投資差益で、これは悪くなかったのではないか。投資そのもので言えば苦しい戦いだったが、悪いリターンではない」と強調した。
【17時10分】「1号ファンドの投資比率は85%に」
孫会長は1号ファンドの投資状況について「(投資家から集める予定資金のうち実際に投資に使われた金額の比率)が85%になるとそこから先は2号ファンドが始まるという契約になっている。15%位は今後のフォローの投資あるいは優先株式の配当で残しておくのが基本ルールだからだ。この85%を超えるというのがもう今月や来月にやってくる。2号ファンドとの投資の隙間をなくすと考えると、今後1~3カ月で2号ファンドの投資が開始される」と背景を説明した。
【17時06分】「2号ファンド、9月か10月に投資を開始」
2号ファンドの投資開始時期について、孫氏は「投資はかなり近いうち、9月か10月から始まる。まず先に自ら約4兆円の投資の意思決定をした。参画する会社が決まったら、その分から投資が着々と始まる」と述べた。続けて「20年3月期中に5~6社の上場がある。来年度は10社くらい上場すると思う。再来年はもっと増える。毎年、上場組が続々と加わるのでそれらを中心に一部を現金化する。それ以外は必要に応じてその都度考える。国内通信子会社のソフトバンクはすぐに現金化しようとは考えていない」と先行きを語った。
【17時00分】「両名ともすばらしい方」
自民党の小泉進次郎衆院議員とフリーアナウンサーの滝川クリステルさんが結婚を表明したことへの感想を求められ、孫会長は「知らなかった。おめでとうございます。ちらっと挨拶を交わした程度だが両名とも素晴らしい方だ」と笑顔で答えた。
【16時50分】「2号ファンド、サウジも高い関心」
質疑応答が始まった。2号ファンドにサウジアラビアが参加していないとの質問があり、孫会長は「課題は何もない。サウジアラビア、アブダビが1号ファンドの大きな投資家だが良好な関係を継続している。2号ファンドにも高い関心を持っており、具体的な条件について詰めている。2号ファンドの運用規模は最終的には今の規模(約12兆円)より膨らむ」と話した。
【16時40分】「2号ファンドはさらに増額する」
2号ファンドの内容について、孫会長は「いよいよ始まる。内容としては1080億ドル(約11.7兆円)だ。出資して頂く会社については、まだ話し合い中の案件も複数あり、ここにはカウントしていない。まとまればこの金額はさらに増える」と説明した。
【16時37分】「エンジンふかしているのはAI」
孫会長は「今、エンジンをふかし攻め続けているのはAI(人工知能)についての投資だ。この2年で82社のユニコーンを傘下に持つことができた。交通から物流、医療、不動産や金融など色々な分野にまたがるが、たったひとつのことに投資している。それがAIだ」と強調した。
【16時32分】「これからはビジョンファンド1本」
孫会長は今後のあるべき姿について「投資会社としての当社には売上高も営業利益も意味ある数字ではない。今後も四半期ごとに上がったり下がったりする。一番意味のある数字は『保有株式(26兆円)-純負債(5兆円)=株主価値(21兆円)』のみだ」と宣言。「株主価値は約20年間、一貫して上がり続けている。これからはビジョンファンド一本といっても過言では無い」と宣言した。
【16時25分】「実質的な有利子負債は5兆円」
孫会長は足元の財務状況について「有利子負債は17兆円ある。うち5兆円が連結から外れ返済義務が無いスプリントになる。さらに携帯子会社ソフトバンクの5兆円は自らの返済可能範囲で借り入れしているので、実際の借り入れは7兆円強だ。2.5兆円の現預金を考慮すれば実質的な負債は5兆円だ。これは保有株式の5分の1。眠れないほど心配することだろうか」と理解を求めた。
【16時15分】「投資によって3倍の価値生んだ」
孫会長はスプリントの株主価値について「0.4兆円が1.3兆円に増え、約1兆円の利益を生み出した。スプリントの投資は大失敗と思っている人が大半だと思う。ある面それは正しいが、投資して3倍の価値を生み出している」と説明した。
【16時7分】「自社で4兆円近い出資を」
孫会長はソフトバンク・ビジョン・ファンド」の2号ファンドについて「約4兆円近い出資を自ら行うことを機関決定した。米携帯事業の合併とを含めた2つがソフトバンクグループにおいて大きな前進である」と胸を張った。
【16時3分】「前進あるのみ」
孫会長は冒頭で「最近のニュースは暗いことが多い。私は世の中がどうであれ、とにかく『前進あるのみ』と思っています」と強調した。続けて米携帯通信事業での合併承認が下りたことを受け、「長年懸案だったスプリント問題に決着が見えてきた。3位のスプリントと4位のTモバイルUSを合併させて、トップ2強に対抗することが基本戦略。合併できないのであれば最初からアメリカに参入するつもりはないと社内には言ってきた」と語った。
【16時00分】決算会見始まる
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