嘉田氏らが新会派、野党統一議員、立民・国民と等距離
参院は30日、8月1日召集の臨時国会での勢力を決める各会派の届け出を締め切った。改選定数1の「1人区」の野党統一候補として無所属で当選した8人のうち6人が参院で勢力の大きい立憲民主、国民民主両党どちらの会派にも所属しなかった。両党が勢力拡大による主導権争いをしており、当面は等距離を保つ動きが目立つ。
野党4党が推薦した嘉田由紀子氏(滋賀選挙区)は同じく野党統一候補だった永江孝子氏(愛媛)と参院会派「碧水会」を結成した。嘉田氏は3月まで国民民主に所属していたが、幅広い支援を得るため離党した。「当面は無所属というのが選挙中の約束だ」と語る。永江氏はどの党からも推薦を受けていない。
無所属で当選した寺田静(秋田)、打越さく良(新潟)、安達澄(大分)の3氏は会派に入らなかった。立民の福山哲郎幹事長は30日、無所属議員の同党会派入りについて「地域の支援者との関係もある。選挙後すぐではなく理解を得てからということだ」と語った。
高良鉄美氏(沖縄)は参院会派「沖縄の風」に所属する。
横沢高徳氏(岩手)と芳賀道也氏(山形)は国民民主会派に入った。両氏とも国民民主が擁立を主導した。
国民民主は嘉田、永江、安達各氏らも「系列候補」として当選後の会派入りを見込んできた。玉木雄一郎代表は「我々が擁立や応援を主導した」と強調する。年末に向け入党の働きかけを強める可能性がある。政党交付金は1月1日時点の各党の議員数などをもとに算定されるためだ。
一方、立民内には統一候補として支援してきた無所属議員の国民民主会派入りに反発がある。福山氏は「国民民主系が誰を指すのか分からない」と指摘する。
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参院選の結果を受けた参院の新たな勢力分野は次の通り。
自民党・国民の声114▽立憲民主党・民友会・希望の会35▽公明党28▽国民民主党・新緑風会26▽日本維新の会16▽共産党13▽沖縄の風2▽れいわ新選組2▽碧水会2▽みんなの党2▽無所属5